年末恒例
毎年12月になると、「ババ・ヴァンガが予言した来年」という記事が世界中で量産されます。今年も例外ではなく、2026年版が出回り始めました。
ブルガリア・ペトリチにあるババ・ヴァンガの胸像。Wikimedia Commons / Maraschino Cherry / CC BY 4.0
このブログでは、毎年の予言を並べて「誰が言ったのか」を確かめるのを恒例にしたいと思っています。まずは今年の「新作」から。
2026年版として出回っているもの

- 宇宙人との接触。「巨大な宇宙船が現れ、人類が地球外の存在と接触する」
- 大国の指導者の交代。「大国のリーダーが病気で職を離れる」
- 世界人口の減少。「戦争か災害で、世界の3分の1が失われる」
- 大地震と火山。「東で大地が揺れる」
- 医学の進歩。「がんの治療法が見つかる」
- 世界通貨。「一つの通貨が世界を支配する」
去年の2025年版と見比べると、「ヨーロッパの戦争」「経済危機」が消えて、「宇宙人」が前に出てきました。米議会の UFO 公聴会以降、宇宙人の需要が高いことの反映でしょう。
ババ・ヴァンガとは誰か
ブルガリアの女性で、1911年生まれ、1996年没。子どものころに嵐で視力を失い、その後「未来が見える」として国内で有名になりました。ソ連時代には政府がその「能力」を調べたとも言われ、晩年は政治家や芸能人が訪ねる存在でした。
ここまでは本当です。問題はここからです。
「言った」記録がない
ババ・ヴァンガは文字を書きませんでした。本人の予言は、訪ねた人が「こう言われた」と語ったものしか残っていません。「9.11を予言した」「ソ連の崩壊を予言した」「東日本大震災を予言した」とされるものは、いずれも出来事の後に「実は言っていた」と語られたものです。
そして「来年の予言」は、毎年12月に、主に英語圏のタブロイド紙が出します。元になる文書はなく、前の年の記事を少し変えたものが「新作」として流れます。「2026年の予言」も、2026年に起きそうなことを並べたリストに、彼女の名前を貼ったものと考えるのが妥当です。
このブログで以前、「エコノミストの表紙」は「その年に誰もが心配していることを並べた絵」だと書きました。ババ・ヴァンガの予言はその予言者版で、「来年みんなが心配しそうなこと」のリストです。
それでも語られる理由
- 当たったことになる仕組み。「東で大地が揺れる」は、毎年どこかで当たる
- 外れても消える仕組み。外れた予言は翌年の記事に載らないので、記録が残らない
- 本人が反論できない。1996年に亡くなっているので、「そんなことは言っていない」と言う人がいない
外れた予言を記録するのがこのブログの役目だと、7月5日の記事で書きました。来年の年末に、この記事を読み返して答え合わせをします。
おわりに
「宇宙人との接触」が2026年に起きたら、このブログは喜んで訂正記事を書きます。起きなかったら、来年の12月に「2027年版」が出るだけです。どちらでも、記事は書けます。
良いお年を。










