去年の答え合わせ
去年の表紙は、中央にトランプ、放射能マークの目、砂時計、土星、ロケット、拳でした。
- 中央のトランプ:1月に就任し、4月には世界中に関税をかける「解放の日」を宣言。見出しの「貿易戦争」はそのまま現実になった
- 放射能マークの目:6月、アメリカがイランの核施設を空爆した。「核が使われる」ではなく「核施設が攻撃される」だったが、放射能と目の組み合わせは、今年いちばん語られた要素になった
- 砂時計:期限の話は多かった。関税の猶予期限、停戦の期限。終末は来ていない
- 土星:探査機の話は静か。何も起きていない
- 握りこぶし:アメリカ国内の大規模な抗議デモは何度か起きた
- ジェーン・オースティン:生誕250年のイベントが行われた。それだけ
「多すぎる要素は、全部当たったにも全部外れたにもできる」と去年書きました。今年はその通りで、放射能の目だけが「当たった」ことになっています。
2026年版の表紙
「The World Ahead 2026」の表紙。白地に赤と青の線画。The Economist - The World Ahead

白地に、赤と青の2色の線画。去年の「赤と黒の四角」から、手描きの落書きのような画風に変わりました。要素は円形に散らばり、一部が円の外にはみ出しています。
アメリカ
- 星条旗を握った拳(上)
- 「250」と書かれたケーキ(中央上):2026年7月4日はアメリカ建国250年
- トランプらしき人物が歩いている
戦争
- 戦車が2台、ミサイル、ロケット、ドローン、軍事衛星、剣
- 見出しは「ガザの後」「ウクライナの先、ロシアの次の一手」
医療
- 注射器がいくつも。見出しは「減量薬の次の世代」
- 錠剤、脳のような絵
経済
- ドル記号、コンテナ船、燃えるもの。見出しは「世界経済、危機は醸成されているか」
娯楽
- ゲームのコントローラー
- サッカー選手(右下、円の外へボールを蹴り出している):2026年は北米でワールドカップ。見出しは「スポーツの価値、政治的なフットボール」
- 帆船、旗
どう読まれているか
「250」のケーキ
去年の記事で、ジェーン・オースティンの「250」が「アメリカ建国250年への予告」と読まれていると書きました。今年は本当に250のケーキが出てきました。1年遅れで当たったことになります。
建国250年の祝典は、都市伝説の世界では「大きな儀式」の候補です。ワールドカップの決勝と時期が重なることもあり、「2026年の夏、アメリカに世界の目を集めて何かをする」という読みが、既に始まっています。
拳と星条旗
去年の「握りこぶし」に、今年は星条旗が加わりました。「アメリカの内乱」「革命」「愛国主義の暴走」。エコノミストの意図は建国250年の「祝福」でしょうが、拳は拳です。
注射器の数
去年より注射器が増えました。見出しの通り減量薬の話ですが、「新しいワクチン」「次のパンデミック」と読む人は今年もいます。2022年版の表紙で注射器が消えて兵器が増えた、と以前書きましたが、注射器が戻ってきました。
円の外へ蹴り出されたボール
デザインとして面白いのはここです。サッカー選手だけが円の外にいて、ボールを外へ蹴り出している。「世界(円)の外へ何かを出す」「ワールドカップが世界の枠を壊す」。素直に見れば「2026年の主役はワールドカップ」という意味です。
赤と青
去年は赤と黒。今年は赤と青。アメリカの共和党と民主党の色、あるいは星条旗の色。表紙全体がアメリカ一色である、というのが今年の最大の読みです。
個人的な読み
過去4年の表紙を並べると、2023年は「顔と兵器」、2024年は「投票箱と「?」の顔」、2025年は「トランプと目」、2026年は「アメリカ250年」。エコノミストの関心が、世界からアメリカに寄っていくのが分かります。
予言かどうかは別として、「誰もが心配していること」の記録として、この4年分の流れは正直です。
おわりに
250のケーキと、円の外へ蹴られたボール。来年の今ごろ、ワールドカップと建国250年がどう語られているのか。答え合わせは1年後に。









