金曜日の朝、世界が青くなった
2024年7月19日の朝(日本時間の昼過ぎ)、世界中のオフィスや空港のモニターが青い画面で止まりました。Windows のブルースクリーンです。
2024年7月19日、ワシントン・ダレス空港の案内表示に出たブルースクリーン。Wikimedia Commons / reivax / CC BY-SA 2.0
- アメリカの主要航空会社が運航を停止し、数千便が欠航
- イギリスやドイツの病院で予約システムが止まり、手術が延期
- 銀行、証券取引所、テレビ局、コンビニのレジ
影響を受けたパソコンは、マイクロソフトの推計で約850万台。「史上最大の IT 障害」と呼ばれました。
原因は「更新ファイル1つ」
サイバー攻撃ではありませんでした。原因は、企業向けのセキュリティソフトを作っている **CrowdStrike(クラウドストライク)**社が配信した更新ファイルの不具合です。
このソフトは Windows の深い部分で動いているため、壊れたファイルを読み込んだパソコンは起動そのものに失敗しました。しかも自動更新なので、世界中でほぼ同時に起きた。復旧には、1台ずつ手作業でファイルを消す必要があり、大企業ほど時間がかかりました。
つまり、世界の大部分が、1社の1ファイルに依存していたことが露呈した事件です。
「サイバーパンデミック」との結びつき
ここからが、このブログの領分です。

2020年、世界経済フォーラム(ダボス会議)は「サイバーパンデミック」という言葉で、大規模なサイバー攻撃が社会を止める危険を警告し、翌年には「サイバー・ポリゴン」という演習を主催しました。「パンデミックの次はサイバーパンデミックが来る」という趣旨です。
15分都市の記事でも書いた通り、ダボス会議は陰謀論の世界で「エリートが世界を設計する場所」として扱われています。その団体が予告していた出来事が起きた。「予告していた」=「仕組んだ」に読み替えるのは、この世界の定石です。
広まった説を並べます。
- 予行演習だった。本番の前に、世界がどう止まるかを試した
- 現金廃止への布石。レジやATMが止まる光景を見せて、「デジタルなら安全」に誘導する(実際にはデジタルの方が止まったのですが)
- CrowdStrike は情報機関とつながっている。同社が2016年の米民主党のサーバー侵入の調査を担当した経緯から、「政治的な会社」というイメージが以前からあった
- 7月19日という日付。数字を足すと……以下略
現実の教訓の方が怖い
陰謀論を脇に置いても、この事件には十分怖い教訓があります。
- 世界の企業の大半が、同じ OS と同じ数社のセキュリティソフトを使っている
- その1つが壊れれば、攻撃されなくても世界が止まる
- 「攻撃ではなかった」ことが分かるまで、数時間は誰も原因を知らなかった
ダボス会議が言っていた「サイバーパンデミック」は、悪意ある攻撃を想定したものでした。今回は悪意がなくても同じことが起きた。予言が当たったというより、予言より現実の方が雑だった、という見方が正確だと思います。
イルミナティカードには「Computer Security」や「Bank Merger」など、システムと金融が止まる系のカードがいくつかあります。今回も「予言していたカード」探しが行われましたが、850万台のブルースクリーンを描いたカードはさすがにありません。
おわりに
「誰かが仕組んだ」より「誰も全体を把握していない」の方が、この事件の本質に近いと思います。世界は思ったより少ない会社の、思ったより薄い仕組みの上に乗っている。
次に世界が止まるとき、それが攻撃なのか事故なのか、私たちはやはり数時間は分からないでしょう。










